2つの峠越えで紅葉はすっかり満腹した。
ノロッコ号は北海道のいくつかの路線で走っているが
そもそもノロッコとは走行中見所に差し掛かると
速度を30kmほどに落としてゆっくり見せるサービスとトロッコとの造語だ。
午前10時58分に釧路駅を出て川湯温泉まで約2時間かけて走るのだが
多くは途中の塘路(とうろ)まで約30分だけの湿原見物になる。
JR北海道の道東の最大都市釧路駅も列車の発着以外は閑散として寂しい限りだ。
釧路を出た列車は釧路川添いに湿原を走り抜け
川湯温泉を目指す釧網(せんもう)線の一部区間だ。
もちろん一般客も利用するが各駅を利用する人はこの時間ほとんどいない。
出発して間もなく湿原に入り蛇行する釧路川の間際を通るのだが
この広い湿原を豊に潤し満々と悠々と流れるさまは
川本来の姿、川そのものの素晴らしさが実感でき
これを見るだけでも今回の遠路長旅の価値が見出せる。
僅かだが残されたこの貴重な自然を
後々の代にまで楽しませてやりたいとつくづく思う。
人工物が無いということはこれ程までに素晴らしい。
とにかく湿原をこの姿に保つには川を自然の姿で保つ必要があるようで
ダムなんてとんでもないことらしい。
しかし廃線が多い中、このような企画アイディアを考えた人は凄い。
5輛の客車が観光客で満杯になるのだから。
大白鳥やタンチョウはシャッターチャンスがなかった。
川湯温泉で下車もせず折り返してまた2時間かけて釧路まで戻ったのだが
もっと長く乗っていたかった。
尻の痛さには閉口したけど。
何しろ座席は全て木製なもので。
街中の和商市場をひやかし
旨いもの求めて漁港近くの和食処「錦」(にしき)で
つぶ貝やホッキ貝の超新鮮な刺身やもろもろでこちらは本物の満腹。
結果全て満足満足。
次回は同じルートで小樽へ戻ります。

午前10時30分頃の釧路駅ホーム。人がいないなぁ。

ノロッコ号が入ってきた。
これからしっかり頼むぞ。エンストなんかするなよ。

客車

客車の内部。全て木製で作ってあるし天井は鉄板1枚のみ。

湿原の入口は低木の林。

湿原にはカヤのような植物。

本格的な湿原。


とうとうと流れる釧路川中流。

釧路川遠望

線路真下まで迫る釧路川。

広大な湿原。
以前車で走ったことがあるが今回は鉄道という違った角度からの眺めで
こちらの方が良かったと思う。




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