料理の煮炊きを仕切る立場ですね。
一番下位の追い回しからこの道に入り煮方になるまでの修行が
厳しくやめていく人が多いという。
煮方の上位が椀方(わんかた)で、その上は板長や花板となる。
煮物の味付けの再現性技術を修得できなければ
一人前と認めてもらえない序列社会の厳しさがあるが
何だか今風ではないみたい。
その煮物の中の一つ。
魚やそのあらなどを煮付ける時
旨さは当然としていかに美味しそうな照りを出すか。
板前が気配りするところで方法はネット上でも多くヒットする。
中でも多いのが熱い煮汁を魚にかけ回しながら煮付けるというものの
他いくつかのやり方が出てくるがわたしのやり方は
友人の花板から教わったもので手間を要しない。
煮汁に水は使わず酒、みりん、醬油、それに砂糖を隠し味ほど使い
浅い鍋とアルミホイルの落とし蓋を用い弱火で10分前後煮付けるというもの。
一般家庭料理ではあまり気にかけない“照り”。
板前はこれに気配りする。
つまり見た目も味の中ということ。
慣れると何度やっても同じ味が再現でき艶々の美味しそうな照りも程良く付く。

照りの付いたオニカサゴとホウボウのあら煮。
写真では照りの具合がいまいちですが。
皿は流氷焼 植村宏光さん作陶。


