何とも言えない浮き浮きした船の上。
つくづく良い趣味を持ったもんだと思う。
ダイビングを楽しんでた時にでもこれほどの気分にはなれなかった。
あわび、さざえが採り放題、
カンパチ、シマアジ、水中銃で撃ち放題であっても。
ひねもすのたりの海面に船を浮かべ大好きな根魚釣り。
海底150mでオニカサゴを掛けた。
ぐんぐん竿先を絞りながら釣り人を楽しませ
上がってきたオニカサゴは棘が付いた全身の鰭をこれでもか、
というほどに広げて威嚇してる。
この俺に触れてみろ、とんでもないことになるぞ、
と言わんばかりに。
タチの歯は洗礼を受けたことがあるが
オニの棘は沢山釣っているのに刺されたことがない。
今後もそう願いたい。
棘は鰭の皮膚の中に隠れてどこにそんな凶器があるのかと思うが
その先端を見てみると半透明で不気味な鋭い針先が見える。
だから釣り上げたら何が何でも一番初めにそれぞれの棘の先っぽを
いつも持参してる調理用ばさみで切り落とす。
カサゴ類は毒の有無はあっても大体同じ個所に棘がある。
この調理ばさみはタチウオの血抜き活き締めに
頭を切り落としたりするのにも使うので道具箱に入れておくと便利だ。
棘を切って血抜き活き締めし持ち帰ったオニの鱗落としの時
驚くことに先端を切られた鰭をこれでもか、というくらいに広げる。
死んでもまだ威嚇してる。
中にはこれも先端を切られた尻鰭まで立ててる個体もあるから凄いことだ。
鰓ぶたの棘まで処理してないから下ごしらえに軍手は欠かせない。
オニカサゴは全身武器だらけだ。
どうぞ気を付けてください。


鱗を落としてる時、上のオニカサゴの背鰭は見事に立ってるが
下のウッカリカサゴ(カンコ)の方は全く立ってない。
根性の違いか?



