北海道の太平洋側に天売島と焼尻島が並びその対岸に苫前町がある。
当時の苫前村だ。
留萌から50kmほど北上した所。
その苫前から30kmほど内陸に入った開拓民部落で三毛別という所で発生した。
1915年12月9日〜14日にかけて開拓民7人が犠牲になり
3名に重傷を負わせた事件。
何とも惨たらしい。
その現場が今でも半分観光地にはなってるが保存されている。
道道1049号は延々と30kmも進んだ所でこの道道は行き止まり。
そこに当時開拓に入った人の住まい、
というか小屋が復元され、よくもまぁこんな無防備な囲いだけのような小屋で
生活してたものだと空恐ろしくなる佇まいで
寒さだけでも少しも防ぎ切れない粗末なもの。
ヒグマの鼻息一つで飛んでしまうと思わんばかりの代物だ。
ここへ冬眠しそびれたとてつもない大きなヒグマが現れ
部落を壊滅状態に陥れた。
人間を食ったヒグマは味を覚えると必要に人を襲うらしく
次々と食害していった。
執着心が強く利口で火を恐れないことからも防御しきれなかったようだ。
このベアロードの30kmの道程を走っていると
一体どこまで行ったら部落跡に着くのかと不安になるほど
当時の開拓民は入り込んでいたのだ。
それこそヒグマだけではなく他の獣にも注意が要っただろうに。
12月14日に山本兵吉という天塩のマタギに仕留められるのだが
その時晴れていた空が、にわかに激しい吹雪になり
村人達は熊嵐と呼んで語り継いだ。
解体した胃袋の中は次々と食害された人達の髪の毛や衣類の一部が出てきて
遺族の涙を誘ったようです。
何故か剥製にもなっておらず残る物は何も無いそうで
340kgのオスで身の丈2.7mもあった記録だけが残されています。
ここを訪ねる時、少しばかり予備知識を持って行ったので
感慨深いものがあり2度訪れました。



